犬の世話について
ペットシッターガイドライン: 犬
犬の安全と幸せを守ることは、ペットシッターの重要なスキルです。
Cosewa ガイドライン > ペットシッターガイドライン: 犬
Cosewaペットシッターとして、犬を上手に世話する方法
初めて他人の犬をお世話をする方も、何年も犬のお世話をした経験がある方も、犬の安全、幸せ、健康を守るためにできることがあります。犬のニーズを満たすこと、犬が示すボディランゲージに気づき理解してあげること、そして安全面への配慮を忘れないことが基本です。
1. 犬の安全を第一に
犬は飼い主がいない時に普段と異なる行動をとることがあるので、注意深く観察することが大切です。
誤飲を防ぐには
犬は、狭いスペースに入り込んでしまうことがあります。次のポイントを参考にしながら、誤飲が起こらないようしっかりと対策しましょう。
犬が、カウンターやテーブルの上、食器棚にあるものを探し求める癖があるかどうか、またある場合はどのように防いでいるかを飼い主に尋ねてみましょう。
犬用品(おやつ、食事、おもちゃ、骨など)はすべて、犬が自分で取れるような場所に置くのは避け、できればきちんとドアで仕切られた安全な場所に保管しましょう。
犬を預かる前に、自宅内をくまなくチェックし、すべての食品が犬が届かない場所に収納されていることを確かめましょう。犬がよく狙うものには、次のようなものがあります。人間の食べ物すべて、キッチンとバスルームのゴミ箱、生理用品やティッシュ、掃除用品/日用品、衣類、バッグなど。(ただし、これらに限らないのでその他にも注意しましょう。)
飼い主に犬の普段の行動や、新しい場所にいるときの排便の様子を聞いてみましょう。そうすることによって、犬が食べてはいけないものに誤って飲み込んだかを判断するのに役立ちます。
猫を飼っている場合などで自宅にキャットフードがある場合は、犬から離れた場所に保管しましょう。キャットフードはドッグフードに比べ、タンパク質が多く含まれています。犬がキャットフードを口にすると、お腹を壊したり、副作用が起こる可能性があります。
犬がテーブルの上にあるものを取ろうとして、ジャンプしたり、よじ登ったり、押しても、犬が届かないことを確かめましょう。
迷子を防ぐには
犬が迷子にならないように、事前に計画・準備をすることが大切です。
犬の脱走を防ぐには
ドアはゆっくり開け、出入りする際には犬から目を離さないようにしましょう。
外から出入りするドアにはケージを設置したり、ベビーゲートを活用しましょう。
車庫の入り口があれば、そちらを利用することをお勧めします。
出入り口の安全確保を忘れないようにしましょう。
犬の追跡装置を検討する
預かる犬の首輪に付けられる追跡装置(GPS機能)の購入を検討してみることもおすすめします。万が一、犬が脱走した場合にも簡単に見つかることができます。
リードとハーネスを点検する
散歩に出かける前に、リードやハーネスに破れそうな箇所や破損がないか、きちんと使えるかどうか確認しましょう。
万が一に備えて、予備のリードを持参することをお勧めします。
犬同士のトラブルを防ぐには
自宅に飼い犬がいる場合など、他に犬がいる場合は、犬同士をしっかりと慣らしお互いが安心できるようにしましょう。
知らない犬は避ける
散歩中に他の犬が正面から歩いてきていることに気づいたら、歩道の脇に寄り接触を避けるか、他の歩道を歩くようにしましょう。
散歩中に見知らぬ人が犬と触れ合っても良いか尋ねてきたら、丁重に断りましょう。
犬が示すボディランゲージのサインを理解する
あくびはストレスの表れであることをご存じですか?
その他の犬のボディランゲージのサインをチェックしてみましょう。
犬の体調管理について
犬の立場から、犬が安心して過ごせる安全な環境かを確かめます。
安全に配慮した住まいを意識する
医薬品、掃除道具、人間の食べ物は犬が届かないところに置いておきましょう。
ゲージやベビーゲートを利用して、立ち入り禁止の場所に犬が入れないようにしましょう。
犬が誤飲する可能性のあるものを放置しないようにしましょう。
モニターで犬を見守る
もし可能な場合、犬を見守るためのモニターを用意して、目を離したすきに食べてはいけないものを食べたかどうかを後で確認できるようにすることもお勧めです。
暑い夏を安全に過ごすためには
気温の上昇に伴い、犬種によっては涼しく過ごせるような暑さ対策が特に重要です。
気温に敏感な犬種と健康状態
安全で快適に過ごすため、犬種に関わらず十分な暑さ対策をする必要はありますが、特に注意すべき犬種や健康状態の犬がいます。それらの犬は、大型犬、シニア犬や肥満気味の犬、糖尿病の犬です。そして、鼻ぺちゃの犬もです。これは鼻腔が短いために体温を調節しにくいためです。
暑いときは、特に次のような犬種に注意し、様子をよく観察しておくようにしましょう。
ブルドッグ
チャウチャウ
ゴールデンレトリバー
ボストンテリア
パグ
ボクサー
グレイハウンド
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
ペキニーズ
他にも、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、チャイニーズ・クレステッド・ドッグ、フレンチマスティフ、ボルドー・マスティフ(ドッグ・ド・ボルドー)といった犬種も該当します。
暑さとは反対に、寒さに弱い犬もいます。どのくらいの温度で寒いと感じるのかについては、犬種ごとに説明した犬が寒さを感じる気温についてのガイドをご確認ください。
犬が涼しく過ごすためのコツ
散歩は、早朝や夕方に行うようにしましょう。
長時間の散歩や追いかけっこのような負担のかかる運動は避けましょう。
肉球を守るために靴を履かせることもお勧めです。
犬を早く涼しくさせるには、前足と胸を冷たい水で濡らすと良いでしょう。
散歩のときは、水と折り畳み式の水飲み皿を持参するようにしましょう。
水遊び用のプールに浅く冷たい水を入れておきましょう。
タープや布を張って日陰を作るか、シェードカーテンを使って暑さをしのぎましょう。
水飲み皿に氷を入れてみましょう。
呼吸が荒い、息苦しそう、ぐったりしている、筋肉の震え、ふらつきなどの症状がみられる場合は、早急に動物病院に連絡しましょう。
複数の犬を安全に世話するには
複数の犬の世話をするのは労力が伴います。複数の犬を同時にお世話する際には、次のポイントに気を付けてみてください。
大型犬、小型犬、オス、メス、老犬、子犬、去勢済み、未去勢などのポイントから、他の犬との相性はどうか、飼い主に確認してみましょう。さらに人間と同じように犬も1匹1匹、個性があることも忘れないようにしましょう。
ペットシッター自身が飼っている犬に預かる犬を初めて対面させるときは、両方の犬にリードを付けた状態にしましょう。また家の中ではなく、家の外など中立的な場所で対面させるのが良いでしょう。
小型犬と大型犬を同時にお世話する場合は、両者を分けて世話し、事故を未然に防ぐように心がけましょう。
複数の犬に食事を与えるときは、同じ場所で与えず、必ず別々の場所で与えましょう。ベビーゲートなどを利用して犬同士が接触しないように分けると良いでしょう。
他の犬と一緒に過ごしているとき、その犬の行動をよく理解する前に、犬に新しいものを与えたり紹介したりするのは避けましょう。他の犬と一緒にいるときにおもちゃや骨、おやつを与えると、犬同士が威嚇をしたり攻撃するなど、普段と異なる行動をとる場合があります。
目の届かない場所で犬同士を一緒に過ごさせないようにしましょう。
犬の安全を守るために、しっかりと対策をすることが大切です。お預かりする前に、必ず飼い主とその犬の性格や行動について確認し合い、疑問はすべて解決するようにしましょう。犬についてより多くのことを知れば知るほど、その犬に合った準備や対応ができるはずです。
2. 預かる犬が初対面の人や動物に合う場合
誰もが新しい犬に会うことにワクワクしますが、初対面の場合は、むやみに犬に近づく前に、その犬についてよく理解することが大切です。ここでは、安全に対面するためのコツを紹介します。
予約を受ける前または予約後からお世話を開始する前に顔合わせを行い、お世話する犬がペットシッター自身そしてペットシッターの同居家族やそのペットに対してどのような反応をするかどうかを確認しましょう。
犬が初対面の人に対して不安や緊張した様子を示すか、またどのように接するのがよいかを飼い主に確認しましょう。
犬が初対面の人に対してどのような反応を示すのか確認できるまでは、事故を防ぐために、散歩の際に見知らぬ人を避けることをお勧めします。
犬を預かるときは、犬が滞在していることを家族全員に知らせ、犬が新しい場所に慣れるまで少し離れた場所で距離をおくようにしましょう。
新しく会う人は一人ずつ対面し、その都度犬が落ち着くまで次の人が対面するのを待ちます。犬が不快に感じているようであれば、ペースを落としたり止めたりして犬の様子に合わせて対応しましょう。おやつをあげることで、犬が新しい人や状況に慣れやすくなるのを助けることができます。
子どもがいる場合は、犬と子どもから目を離さないようにし、その犬が子どもにどのような反応を示すのか常に確認するようにしましょう。子どもも犬の行動について知り、新しい犬のまわりではゆっくりと行動するようにしましょう。子どもが犬を不快にしてしまうような距離や触れ合ってしまう場合は、どちらの安全も守るために、子どもを犬から距離を取るようにしましょう。
犬を怖がらせないために、姿勢を低くしたり、正面から向き合わず横を向いて犬が寄ってくるのを待つなどの工夫をしましょう。犬が人見知りをする場合は、無理に交流を図らず、犬のペースに合わせましょう。
3. 食事と水分について
新鮮な水と食べ物を正しいタイミングで与えることは、一見当たり前のことのように思えますが、簡単にできる犬の健康を守る基本です。
お世話期間中に必要なフードやおやつを予約当日にお持ちいただくよう、事前に飼い主に伝えましょう。お世話中に必要なアイテムは基本的に飼い主が準備します。
できるだけ普段の生活に近づけ、ドッグフードは飼い主が用意したものだけを与えるようにしましょう。
新鮮な水を一日中飲めるようにしましょう。新鮮な水が用意されていない場合、トイレの便器から飲んでしまうこともあります。
犬の普段のスケジュールを必ず飼い主に確認しましょう。そうすることで、突然の出来事にも落ち着いて対応でき、事故の可能性も減らすことができます。
4. 犬の運動について
ペットシッターの楽しみの一つは、散歩の時間だと分かったときの犬たちの喜ぶしぐさを見ることでしょう。ここでは、お世話中に犬に必要な運動について紹介します。
ご自身がアプリで設定した1日の散歩回数に従って散歩を行います。ただし、事前に飼い主との合意があった場合は、この限りではありません。
1日30分以上の運動をさせることがポイントです。子犬や小型犬であれば、20分もあれば十分です。
庭に放す場合は、ゲート等がしっかり閉まっていることを確認してから行うようにしましょう。
もしドッグランなどに行きたいときは、自分で判断せず、必ず飼い主に了承を得たうえで向かうようにしましょう。
犬種や犬の年齢、健康状態ごとに必要な散歩の回数と時間が異なります。詳しくは、犬の散歩の回数と時間のガイドを参考にしましょう。
どのような方法で運動させるに関わらず、運動は犬との絆を深め、犬の体を健康に保つと共にリラックスさせることができます。
5.トイレについて
犬の示すボディランゲージに寄り添うことで、事故のないお留守番やお散歩をすることができます。ちょっとした心構えと事故防止につながる方法をご紹介します。
もし、犬が「トイレに行きたがってソワソワしているような様子」をしていたら、できるだけ早く外に連れ出してあげてください。
預ける前に、犬の生活リズムやトイレ状況(時間帯)、子犬の場合はおしっこパッドが必要かどうかなどを飼い主に確認しておきましょう。
慣れない環境ではいつもと違い、多くの失敗をする可能性があります。ペット用の臭い消しグッズを常備しておくことをお勧めします。
6.犬にとっての快適な環境づくり
普段は自分のベッドで寝ている犬や、飼い主に寄り添って寝ている犬もいるかもしれませんが、快適な寝場所を用意してあげることも、お預かり中の犬の快適さを守る方法のひとつです。
飼い主に犬が普段使っているベッドを持ってきてもらうようお願いしてみましょう。また、飼い主の自宅に出向いてお世話する場合は、犬のお気に入りの寝場所を必ず確認しておきましょう。
飼い主に、自宅での普段の犬の過ごし方(家具やベッドへの立ち入りや使用など)を聞いておくと、その犬が日々どんな環境で過ごしているのか知ることができます。
ペットシッターの自宅で犬を預かる場合に、人間用のベッドやソファーは犬には使用させないなど、犬が自由にくつろげるエリアとそうでない場所をプロフィールに記入したり、飼い主に直接伝えましょう。犬がペットシッターの家でどのように過ごすかを飼い主がイメージする際に役立ちます。
上記に加え、ペットシッターが自宅で犬を預かる際は、基本的に犬を放置して外出しないようにしましょう。預かっている犬は常に目の届く範囲で見守る必要があり、留守にすると緊急時の対応が遅れる可能性があります。ただし、多頭飼いの飼い主から複数の犬を預かり、1匹ずつ散歩に連れて行く場合は、他の犬を留守番させることがあるかもしれません。そのような状況に備えて、ペットカメラなどがあるとより安心です!
7. 子犬の世話について
子犬を預かるときに、忘れてはならないことがあります。それは「子犬は子犬である」ということです。子犬は物を噛んだり、どこにでもおしっこをかけたり、リードを引っ張ったり、吠えたりするものです。ペットシッターとして、子犬の安全や幸せを守ることは大切なことです。そのためには、犬の持つさまざまな要素をうまくコントロールする必要があります。
噛むことを防ぐには
人間の赤ちゃんと同じように、子犬も成犬の歯並びになるために歯が生えかわります。そのためには、子犬は噛むことが必要なのです。子犬に適したおもちゃを与え、それを使うように訓練しなければ、犬自身が勝手に見つけたものを噛んでしまう恐れがあります。予防するためのコツをいくつか紹介します。
子犬用のおもちゃを与えましょう。そうすることで、家具などへの悪戯を避けることができます。
散歩中は特に、ほとんどの子犬が何でも口に入れてみようとします。注意しましょう。
子犬が噛んでいいもの、楽しめるものは何か、飼い主に尋ねてみましょう。
子犬がおやつを食べられる場合:噛んでもいいものを自分できちんと判断して噛めたら、その都度ご褒美をあげるとよいでしょう。
子犬のいる場所から、噛むと危険な物(電源コードなど)を取り除き、子犬の様子を常に見守るようにしましょう。
トイレのトラブルを防ぐには
子犬の場合、いつでも、どこにでも、おしっこをしてしまうのが現実です。トイレのしつけについては、飼い主の指示に従うだけでなく、その都度きちんと対応するようにしましょう。
日中は1時間おきに、できるだけこまめに外に出してあげましょう。(月齢によります)一般的には、子犬の月齢がトイレの間隔を何時間空けられるかが目安になります。(例:生後4ヵ月の子犬は4時間おきに外出するのがよいでしょう)
子犬が食べたり飲んだりするたびに外へ連れ出してみましょう。
ペット用消臭スプレーを用意しましょう。万が一、失敗した場合の後始末に役立ちます。
トイレパッドを準備しましょう。
リードマナーを守るために
幼い子犬の多くは、リードを引っ張ったり、リードを噛んだり、まるでヨーヨーのように跳ねたりします。飼い主によって、そのしつけ方はさまざまなので、その飼い主がしていることを参考にしてみましょう。
子犬は引っ張ろうとするので、それに驚いてリードから手を離さないよう、注意が必要です。
リードに慣れていない犬を散歩させるときは、特に注意が必要です。
子犬を年上の犬に会わせるときは、子犬が不快な思いをしないよう、常に犬のそばで見守るなど注意が必要です。子犬は成長する過程で多くのことを学び、また恐怖を感じる時期でもあり、経験したことは子犬にとって大きな影響を与えます。子犬を安全に守り、嫌な思いをさせないようにしましょう。
泣き声や吠え声を聞き分ける
子犬のコミュニケーションのほとんどは、吠えたり鳴いたりすることで行われています。人間の赤ちゃんと同じように、お腹が空いた、のどが渇いた、歯が生えた、トイレに行きたい、あるいはただ単に不安や寂しさを感じていることを知らせています。子犬を安心させるためにできることを紹介します。
子犬には1日のスケジュールに従って食事を与え、常に新鮮な水を用意しましょう。
こまめに外へ連れ出しましょう。
噛むためのおもちゃをたくさん用意しましょう。
遊んで、遊んで、とにかく遊びましょう!運動は、子犬が穏やかに、退屈せずに、楽しく過ごすことができる1番の方法です。
子犬の世話のまとめ
犬を世話することは、根気と時間、そして体力が必要で、誰もが簡単にできることではありません。子犬を受け入れる場合は、子犬が安心してうまく馴染めるように、飼い主が普段どのようにしつけをしているのかについて、事前にしっかり話を聞いておきましょう。
なにより、犬にとっての普段どおりのルーティーンを守ることは第一です!それに加え、このガイドラインで紹介しているコツを参考にし、実践すれば、きっと子犬との時間を楽しく、幸せに、快適に過ごすことができるでしょう。
8. 移動について
ペットの送迎
安全上の理由から、ペットの送り迎えは基本的に飼い主が行います。ただし事前にペットシッターが送迎を合意をした場合は、飼い主の代わりにペットシッターが送迎を行うことができます。詳しくは、よくある質問の「ペットの送迎はペットシッターが行いますか?」をご確認ください。
交通費
お世話の場所(ペットシッターもしくは飼い主の自宅)に行くまでにかかる交通費は、移動するペットシッターおよび飼い主それぞれの自己負担となります。
飼い主の自宅でのサービスの場合:交通費はペットシッターの負担となり、飼い主に請求することはできません。
ペットシッターの自宅でのサービスの場合:交通費は飼い主の負担となり、ペットシッターに請求することはできません。
ただし、動物取扱業に登録していないペットシッターの場合は、飼い主の自宅までの交通費を請求することが可能です。
こちらもご覧ください
ブログ、ガイドライン、よくあるご質問には、役立つような情報を掲載しています。
こせわ